2014年6月27日金曜日

6月22日 こんな事を勉強しました

1 色の話
 アイヌ語の色を表す単語は4つしかありません。
シウニン(siwnin)~ 青・緑・黄色
レタラ(retar)  ~ 白
フレ(hure)    ~ 赤
クンネ(kunne      ~ クロ


 中間色は具体的な物で表現していました。例えばピンクは桜の花のような色などといっていました。

フレの語源  hu=生 ネ=である  生である~赤???(生肉かな?)
クンネの語源 kur=陰 ne=である  陰である~黒(これは納得)

 4つしかないのは不便のようですが、これは世界でも多くの地域で共通しています。日本語も古い時代は 赤、白、青、黒、の4つしかありませんでした。同じように青は、青から黄色までの幅広い色を表していました。
関連する単語
 レタッチリ~白い鳥=白鳥
 フレ シサム~赤い隣人=白人・ロシア人? 
 クンネ~夜
 シウニン~青い顔

ちょっと横道
 福寿草の事をクナウ(白沢ナベさんはクナウペと言っていたが・・・)と言いますが、千歳辺りでは、福寿草の花はあまりにも美しすぎて,魔物に魂を奪われてしまうので、あまり子どもに見せてはならないと言われて来たとムツ子さんは言っていました。しかしおなじ沙流方言を使う二風谷の萱野茂さんの書物にはクナウはイコロ(宝物)の色だ。と賞賛しています。
 子どもを育てる母親の感覚と、たくましき男の感覚では違いがあるのでしょうか。
これはクナウではありませんが・・・

2 言葉の用法
(1)手段を表す言葉
 アニ(ani)
      kasup  ani    ~スプーンで
     tekkotor  ani   ~出のひらで
     korkoni kap ani ~フキの葉で
     tiki  ani               ~杯で(乾杯!)

(2)トウラ tura 
  「~といっしょに」副詞   トウラノも同じ意味
 
(3)動詞の使役化
   ある動作を誰かにさせる形にする事
    ~を飲む  ~が~に~を飲ませる  ク→クレ
   *注意  「母さんが私に薬を飲ませる」という場合、飲んでいるの
    は「私」であるが,この文章の主語は「母さん」で、この場合の人
    称接辞は「エン」となる

3 新出単語
 ホニ(ヒ)honi(hi) ~のお腹 胃も腸も含めた腹部
  もとの言葉(概念形)は ホン ホン+ヒでホニヒとなる(所属形)
  関連 ホンコロ 妊娠する(お腹に持つ)
 シケレペ(sikerpe) ~キハダ(しころ)の実
 シケレペ二(sikerpeni)~キハダ(しころ)の木
 ケプ(kep)~     ~を剥ぐ(他動詞)
 シウニン(siwnin)   ~黄色
 ぺ(pe)       ~物 (動詞などの後ろについて~する物)
 オロ(oro)      ~の中、~の所 
 カプ(フ)  kapu(hu) ~  ~の皮
  もとの言葉(概念形)はカプ  カプ+フで誰かの皮という意味になる

4 話の背景
 ムツ子さんは,はぎ取ったキハダの内皮を、しばらく干しておいてから使いました。(南側の皮を剥ぐと回復が早い)
 小さな木片のまま保存しておいて使う時はそのつど削って粉のように細かくします。それをちょうど粉薬を飲むように水を舌に含んでおいてから飲みます。
 ところが子どもは飲み方が下手ですから舌に粉が張り付いてしまいます。キハダはひどく苦い物ですからとても飲みにくかったそうです。
 しかし、腹痛や食べ過ぎによる胃のもたれ、下痢などにはよく効くのでキハダはとても役に立つ植物です。

資料1
樹皮の薬用名は黄檗(オウバク)であり、樹皮をコルク質から剥ぎ取り、コルク質・外樹皮を取り除いて乾燥させると生薬の黄柏となる。黄柏にはベルベリンを始めとする薬用成分が含まれ、強い抗菌作用を持つといわれる。チフス、コレラ、赤痢などの病原菌に対して効能がある。主に健胃整腸剤として用いられ、陀羅尼助百草などの薬に配合されている。また強い苦味のため、眠気覚ましとしても用いられたといわれている、また黄連解毒湯加味解毒湯などの漢方方剤に含まれる。日本薬局方においては、本種と同属植物を黄柏の基原植物としている。
アイヌは、熟した果実を香辛料として用いている。
(この項ネットより引用)
(シケレペ cipoyep=チポイエプの中に入れる)
日本語のシコロ(錣)はアイヌ語から転嫁したものではないか。

染料2
キハダは、黄蘗色(きはだいろ)ともよばれる鮮やかな黄色の染料で、黄色に染め上げる以外に赤や緑色の下染めにも利用される。なかでも、紅花を用いた染物の下染めに用いられるのが代表的で、紅花特有の鮮紅色を一層引き立てるのに役立っている。なお、キハダは珍しい塩基性の染料で、酸性でないとうまく染め上がらない。このため、キハダで下染めをした後は洗浄を十分にする必要がある。


 

2014年6月18日水曜日

6月22日 アイヌ語教室のご案内

6月22日の予定です

時間 15時から17時まで
場所 蘭越生活館 学習室
内容 *CDなどを聞きながらウポポを歌いましょう
   *ウパシクマ 錣(漢字でかくとこんな難しいんです
    ね)の皮を使って腹痛を治す方法をアイヌ語で学び
    ましょう
     ムツ子さんのCDを聞いて読む事に力を入れまし
     ょう

   *山田さんから、アイヌ文化について話して頂きま
    す。

2014年6月7日土曜日

6月8日 こんなこと学びました



「テキスト〜アイヌの知恵 中本むつ子のウパシクマ」22ページを基礎に書きました。
1 単語のお話
kokkasapa
 コッカとサパが結びついた言葉です。  コッカだけでも膝という意味ですが、そこに頭という意味の サパがついて膝の頭=膝頭、膝株という意味になります。ムツ子さんは小さい頃からリウマチによる関節痛に悩まされ、特に膝は時々痛んだそうです。 晩年は手・指の痛みに悩まされていました。

sokoni
 ニワトコの木のことです。 ニワトコは大変強い臭気を放ち、そのにおいが魔除けとなり様々な病気に効果があるとされました。ニワトコを利用したのはアイヌ民族だけではありません。日本国中に伝えられている薬草です。
 ソコニという名前のもとは、そのにおいから 「糞を持っている木」と言われています。 si-kor-ni シ コロ 二が ソコンニとなり、ソコニとなったと思われています。

ちなみに
知里真志保氏の研究によると、アイヌ民族の植物の名前の付け方は
(1)植物全体を総称する名前はない
(2)利用する部分に注目して名前を付けた
(3)そのため、同じ植物でもいくつも名前があるものがある
ニワトコも ソコニ(木の部分に注目) チカッイペ(実の部分に注目)
etupsik~木の枝

kaye~折る(他動詞)

popte~◯◯を煮立たせる(他動詞)

popkere~ ◯◯をあたためる(他動詞)

ontaro~樽(日本語がアイヌ語になった)

omare~ ◯◯を△△に入れる(注意 目的語が2つある)

wa~「××をして次に◯◯をする」という場合に使う接続詞、

akusu~「××が原因で◯◯になった」という場合に使う接続詞

totek~元気になる(自動詞)

2 おまけ
ニワトコの活用法
◯枝を煎じて足湯、入浴剤として
 打ち身、骨折、関節炎、リウマチなどの鎮痛
◯木の部分を削り綿状のものを作り小石をくるんで水をにつ罨法し、打ち身に
◯木の部分で人形を作り子どもの衣服につけて魔除けとする(樺太地方)
◯ニワトリの止まり木にして病気予防。煎じたものを餌に混ぜて病気治療

3 動詞の話
 アイヌ語の動詞は、日本語や英語と違い、動作を表す言葉だけでなく「赤い」「甘い」などのように「形容詞」として分類されているものも動詞に分類されます。「赤い」は「赤くなる」と言う意味を含むと考えると理解しやすいでしょう。
 アイヌ語の品詞の中で、動詞が一番難しいと言われています。ここでは第一関門である「自動詞」「他動詞」の違いについて入門的に説明します。自動詞と、他動詞の区別はアイヌ語ではとても大切です。それは人称接辞の使い方が変わってくるからです。
 自動詞と他動詞は、目的語が付くか付かないかによって決まります。目的語がなくても文章として成立する動詞を自動詞。目的語がなくては意味が通じない文章になってしまうものを他動詞と言います。
 また、この他にも主語がいらない動詞を完全動詞、目的語を二つ以上必要とするものを複他動詞と言います。

ややこしいので例文で説明します。
(主語は通常動詞に付随する人称接辞によって表現されます)
自動詞
 主語+動詞  中川辞書では1項動詞と表記されています
 私は眠る   眠る(mokor)
 涙が落ちる  落ちる(hacir)
 あなたが笑う 笑う(mina)

他動詞
 主語+目的語+動詞  2項動詞
 私は水を飲む   飲む(ku)
 花子は魚を切る  切る(tuye)
 あなたは山を見る 見る(nukar)~inkarは目的がはっきりしなで見る(自動詞)
複他動詞
 主語+目的語+目的語  3項動詞
 私は プクサを 鍋に 入れる(omare)
 あなたは 薬を 手に つける(usi)
 太郎は 帽子を 頭に かぶせる(kamure)

完全動詞
 主語も、目的語もいらない動詞
 メアン(気候が)寒い 
 sirkunne 夜になる 当たりが暗くなる

5月25日、自然観察会の写真です
マムシ草 ラウラウ 強い毒性あり
秋に、根の部分の一部を食用にする 要注意

トリカブト スクル きわめて強い毒性あり
狩猟のための毒矢の鏃に塗る。要注意

オニゼンマイ ソロマ 役に立たない

バイケイソウ ホシキテイネ
弱い毒性、殺虫などに利用

イラクサ ハイ(祝梅) モセ(妹背牛) 繊維を取った。若芽は食用 不用意に触るとかゆくなる

ナイベツ川 川を流れる水はすべて湧き水 千歳市の主要な水道の水源
ナイ〜沢・支流・川  ベツ=プツがなまったもの〜口 千歳川に注ぐ川口
この川と千歳川が合流するところをさす地名であるが、川全体の名前になった(アイヌ語地名ではそういう例が多い)



エンレイソウ 弱い毒性あり

ヨブスマソウ 茎の部分を蕗と同じようにして食べる事が出来る

オオウバユリ トレップ
根の部分からデンプンを取り出して食用にする
デンプンをしぼった後の繊維を醗酵させ乾燥して保存食にする


ニリンソウ オハウキナ
オハウは汁物 キナは草 汁物に適した草という意味 乾燥し保存食とした

桂の老木 ランコ(オンネランコ)桂は丸木舟などの材料として大切な木であった。









第一発電所、石碑付近から見下ろした千歳川。この大渓谷を「本当に深い窪み」=シコツと呼んだのではないかという学者もいる。その他の説もあり定かではない。